■免税品の転売 外国人観光客を「買い子」手口も
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有働由美子キャスター
「免税品を転売…しかも、巨額にのぼることが国の調査でわかりました。もし本当なら脱税にも等しい気がしますが、どういうことなんでしょうか」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「『免税制度』は、外国人観光客などが免税店でお土産などを買って日本国外に持ち帰る場合は消費税がかからない仕組みですよね」
「政府が日本を出国した人の免税品購入額を調べたところ、1年間の総額で6000億円にものぼり、1億円以上購入したという人は374人でした。そのうち57人を検査したところ、実際に免税品を国外に持ち出したことを確認できた人は1人しかいなかったというんです」
有働キャスター
「ということは、ほかの人はもしかしたら免税品を転売していたかもしれないですね」
小栗委員長
「例えば、こんなケースもあるそうなんです。転売を目的とするブローカーが、チャットアプリで外国人観光客を『買い子』として募集します。そして、手数料を渡して免税店で免税品を大量購入させ、店に横付けしたトラックで運び出していったということです」
「専門家は、買った人も買わせた人も消費税法違反の罪などに問われる可能性はあると指摘しています」
■専門家「日本の制度はチェック機能が甘い」 “あとで返金案”議論へ
有働キャスター
「組織的に行われているということですが、何とかならないんですか」
小栗委員長
「そこでいま、浮上している案があります。まず、これまでは免税品を買うときに消費税を支払わなくてすみました。これを見直し案では、まずは普通の買い物と同じように消費税も含めて支払いをします。その後、税関を通るときに免税品を持ち出すことが確認できたら、消費税分を返金するという仕組みです」
「国税庁OBで、中央大学法科大学院の酒井克彦教授は『シンガポールやオーストラリアなどでこの方式がとられている。購入時にしか不正を見抜けない、いまの日本の制度はチェック機能が甘い。購入品の持ち出しを確認して払い戻すようにするなど、安心できる仕組みに切り替えていかないといけない』と話していました」
「この案は、30日の与党の税制調査会で議論され、今年中に方針を決定します。その上で政府は1年ほどかけて税関や店舗など様々な関係者と環境を整備した上で、新しい仕組みを実施する方向だということです」
■“身近な転売”正しく規制を…
有働キャスター
「辻さんは、これについてはどう思いますか?」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「確かに、海外では到着まで商品が開けられない仕様になっていたり、空港で並んだり手続きにも手間がかかりますよね。ただお得な分、その手間は仕方ないと思いますし、日本も必要な工数はかけるべきだと思います」
「そもそも免税品に限らず転売自体が当たり前になりすぎていることも課題だなと思っています。転売ヤーの手法も多岐にわたっていますし、正規に購入しようとする人ばかりが損をしてしまうと。これを機に免税品だけでなく、そもそも転売に関しても正しく規制されてほしいなと思います」
有働キャスター
「消費税分を大きいな…と思いながら毎日買い物している者からすると、やっぱ『抜け穴』はずるいと思ってしまいますので、出来るだけ早く仕組みを変えるように進めてほしいです」
(2023年11月29日放送「news zero」より)
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